ベトナムが貧しい理由を解説|技能実習生として来日するのは人生を変えるため

ベトナムが貧しい理由を解説|技能実習生として来日するのは人生を変えるため
  • ベトナム人が日本に来て働く理由は、ベトナムが貧しいから?

ベトナムは事実として日本より貧しい国です。

世界銀行のデータによると、2021年のベトナムのGDPは0.36兆ドル

一方で、日本のGDPは4.93兆ドルで、ベトナムの13倍の経済規模です。

これは、1975年まで続いたベトナム戦争や社会体制が原因です。

この記事では、ベトナムが貧しい理由をこれまでのベトナムの歴史や社会体制の観点から解説します。

なぜベトナムの田舎から若者が日本に来たいと思うのか、この記事を読むことで理解が深まりますよ。

 

目次

ベトナムが貧しい理由は資本主義を導入して日が浅いから

ベトナムが貧しい理由は資本主義を導入して日が浅いから

ベトナムが貧しい理由は、ベトナム戦争の終結が1975年でドイモイ政策で市場経済を採用したのが1986年と、国家として経済発展に力を入れだしてまだ40年もたたないからです。

戦争中は経済発展は後回しになりますし、国の政策として経済発展を目指さなければ発展はしていかないものです。

ここでは、ベトナムの経済に関する歴史を紹介していきます。

 

ベトナム戦争の終結は1975年で47年前である

ベトナム戦争の終結は1975年で47年前である

ベトナム戦争は、北ベトナムと南ベトナムで分断されていたベトナムを統一するための闘いでした。

北ベトナムの指導者は、ベトナムの独立を目指していたホー・チ・ミン氏

現在のベトナムのすべてのお札に印刷されているほどの、ベトナムきっての偉人です。

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一方で、南ベトナムは実質アメリカの支配下にあったため、ベトナム戦争は「ベトナム対アメリカ」という構図でした。

ちなみにベトナムは一つの国家として統一されていた時期が少なく、ベトナムの戦争の前もフランスと独立をかけて戦争をしていました。

戦時下で経済発展するのは難しいことで、ベトナムがまだ比較的貧しいのは戦争の影響が大きいです。

ベトナム戦争が終結したのは1975年。

私のベトナム人の妻の母も戦争経験者世代なくらい、戦争はまだまだ記憶に新しいです。

 

ベトナムが市場経済を導入したのは1986年で36年前である

ベトナムが市場経済を導入したのは1986年で36年前である

ベトナムの社会体制は、正式国名である「ベトナム社会主義共和国」からも分かる通り、社会主義を採用しています。

社会主義とは、国が大きな会社のような役割として資本を管理し、得た利益を国民に富を分配するという考え方です。

社会主義は平等で良いように見えるのですが、平等だからこそ競争原理が働かないので、経済発展しにくいという最大の弱点があります。

どれだけ働いても同じ給料なら、頑張りたいとは思いませんよね。

 

「ドイモイ政策」で経済だけは資本主義を導入

ベトナム戦争終結後、経済面でも社会主義を貫いてきた結果、経済発展せずに国全体が貧困にあえぐ時期が続きました。

この状況を打開するため、1986年ベトナム政府によって採択されたのが「ドイモイ政策」です。

ドイモイ政策によって、ベトナムは経済面の社会体制を社会主義から資本主義へとシフトチェンジしました。

これにより、個人も資本を持てるようになって、徐々に社会に競争原理が生まれてくることで、経済発展が進んできました。

 

経済発展には途方もない年月が必要

ベトナムはドイモイ政策以降、GDP成長率7%前後のペースで着実に経済発展を遂げてきています。

とはいえ、ドイモイ政策が始まってからまだ40年も経っていない状況で先進国には追い付くことはできません

日本を含む他の先進国は、資本主義を導入してからベトナムの倍以上の月日が経っているわけで、このことからも経済発展には相応の年月が必要なことが分かります。

単純に「ベトナムには経済発展の時間が足りていないだけ」というのが、ベトナムが比較的貧しい一番の理由です。

 

ベトナムは都会と田舎で貧富の差が大きい

ベトナムは都会と田舎で貧富の差がとても大きいです。

 

ベトナムの地方別のGDP比較表

ベトナム政府関連サイトによると、2019年版の地方別のGDPはこのようになります。

地方(地方で有名な都市) GDP
東南部(ホーチミン) 943億USD
紅河デルタ(ハノイ) 754億USD
メコンデルタ(カントー) 354億USD
南中部(ダナン) 227億USD
北中部(フエ) 186億USD
東北部 149億USD
中部高原 117億USD
西北部 81億USD

地方別で見ると、経済都市のホーチミン市がある東南部のGDPが1位で943億USD。

一方で、最下位の山岳地帯の西北部は81億USDと、東南部のGDPのわずか8%です。

 

GDPが低い地方は人口や産業が少なく、貧困度も高い

省・市名 人口(単位:人) 貧困レート(数字が大きいほど貧困度が高い)
西北部 4,793,100 20.5
東北部 9,270,400 12.1
紅河デルタ 21,582,600 2.8
北中部 10,999,700 9.2
南中部 9,343,400 5.6
中部高原 5,932,000 10.6
東南部 18,342,900 1.5
メコンデルタ 17,318,500 5.5

GDPが低い地方は人口も少なく、産業も少なく、貧困度が高いです。

なので、貧困度が高い地域の若者は、賃金が高くて仕事がたくさんある都会に出稼ぎに出ます。

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ベトナム人の技能実習生が日本に来るのは、お金を稼ぐため

ベトナム人の技能実習生が日本に来るのは、お金を稼ぐため

ホーチミンのような都会に出てきて働いたとしても、スタッフレベルの賃金は1,000万ドン(約5万円)に満たない人も多くいます。

これがもし技能実習生として日本に来ると、少なくとも倍以上は稼ぐことができます

私の妻の友人やいとこも、技能実習生として日本へ行きました。

彼らの話を聞くと、「日本で稼いで人生を変えたい」という気持ちをひしひしと感じます。

 

ベトナムで数年で200万円貯めるのはほぼ不可能

ベトナムで普通に働いていると、たった数年で200万円貯めるのはほぼ不可能です。

それが技能実習生として日本に行くと、途端に実現可能になります。

3年間で年金の脱退一時金も合わせて200万~300万円を国に持って帰ることができる。

引用:https://news.yahoo.co.jp/feature/1174/

私の妻の友人やいとこが日本に行く理由はまさにこれです。

「家を建てるため」や「自分のビジネスを持つため」の資金のため、「今は頑張る時」と彼らは日本で頑張っています。

 

【ベトナムが貧しい理由を解説】まとめ

今回はベトナムが貧しい理由、そしてなぜベトナム人の若者が技能実習生として日本に来るのかを解説しました。

私がベトナム移住して一番驚いたのが物価の安さなのですが、その安さの裏では日本人が想像できないほどの安さの給料で働いている人たちがいます

例えば、ベトナムのコンビニ店員の時給は100円だし、正社員でも時給換算で300円いかないくらいです。

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とはいえ、ベトナムは若者の人口が多く、これからさらに経済発展していくのにポジティブな要素しかありません

これからどのように発展していくのか在住者として非常に楽しみにしています。

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